土地を手放して国に引き渡すことができる新しい制度です国庫に帰属させる
相続した土地について、「遠くに住んでいて利用する予定がない」、「周りの土地に迷惑がかかるから管理が必要だけど、負担が大きい」といった理由により、土地を手放したいというニーズが高まっています。このような土地が管理できないまま放置されることで、将来、「所有者不明土地」が発生することを予防するため、相続又は遺贈(遺言によって特定の相続人に財産の一部又は全部を譲ること)によって土地の所有権を取得した相続人が、一定の要件を満たした場合に、土地を手放して国庫に帰属させることを可能とする「相続土地国庫帰属制度」が創設されました。
相続土地国庫帰属制度の承認申請の対象者は、亡くなった人の土地を相続して「土地全体を所有する権利」もしくは「土地の共有持分」を取得した人です。
- どのような土地でも所有権を国庫に帰属させることができるのですか。
- 【1】建物がある土地、【2】担保権や使用収益権が設定されている土地、【3】他人の利用が予定されている土地、【4】土壌汚染されている土地、【5】境界が明らかでない土地・所有権の存否や範囲について争いがある土地については、国庫に帰属させるための申請を行うことができません。
- どのような人が申請を行うことができるのですか。
- 対象土地を相続又は遺贈により取得した相続人が申請できます。国庫への帰属を希望する土地が単独所有である場合、申請権限が認められます。一方、共有である場合、土地の共有者全員が申請を行う必要があります。
- 手続はどのように進められるのですか。
- 【1】事前相談、【2】申請書の作成・提出、【3】要件の審査、【4】承認・負担金の納付、【5】国庫帰属という流れになります。審査に要する期間は、約半年から1年程度が想定されています。
- 費用はどのくらいかかりますか。
- 土地一筆当たりの審査手数料は、1万4千円となっています。
また、国庫帰属が認められた場合、負担金を納付する必要があります。負担金とは、土地の性質に応じた標準的な管理費用を考慮して算出した10年分の土地管理費相当額をいいます。詳しくはご相談ください。